「要約筆記と私」

真庭要約筆記サークル 松田杏子

 新年を迎えると新たに前へ進めるスタートに立つような気持になります。
 今年も要約筆記でお世話になった岡山県難聴者協会のYさんから年賀状をいただきました。心のこもった挨拶にお元気に過ごされていることが伝わってきてYさんの一年の幸せを願いました。
 さて、私の要約筆記との出会いは平成元年のある日、新聞紙上で津山市社会福祉協議会主催「要約筆記奉仕員養成講座」の募集記事を目にしたことがきっかけでした。当時は「要約筆記」という言葉さえ社会の人たちに知られていない頃でした。養成講座の修了後は津山要約筆記サークルのメンバーとして講演会などへ参加し活動を続けていました。平成8年に津山市で開催された「全要研岡山大会」にもスタッフの一員として関わったことも今は懐かしい思い出です。その後は仕事を理由に十数年要約筆記から遠ざかっていましたが、真庭市にも「真庭要約筆記サークル」が発足し活動を続けられている中、前会長よりお声がけいただき、現在は「真庭市要約筆記奉仕員」として再活動しています。
 例会では要約筆記の基礎から時事問題、ITやコンピューターのビジネス英語などの知識のほか、要約筆記の人たちと共に「速く、正しく、読みやすく」を基本に手書き学習の実技練習に取り組み、その後は検証と評価をしていただきながら要約筆記の技術を学んでいます。自分の書いた文字で情報を正しく理解してもらえるのか、いつも反省点ばかりですが前向きに頑張っています。
 講座受講中は気づけなかった聴覚障碍者の方々の暮らしづらさを少しずつではありますが理解できるようになりました。また、私が活動を休止している間に要約筆記を取り巻く状況も大きく変わりました。要約筆記奉仕員から要約筆記者という法制度が確立され、手書きはOHPからOHCへ、パソコン要約筆記も広く普及しています。スマートフォンの音声認識アプリやAIによる文字起こしの技術も進んできていますが日常に広く浸透するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。