「スポーツ大会が正常に開催」

浅口PenPen草 山本茂樹

 コロナ感染症により日常生活が制限されてから三年がたち昨年五月、第23回岡山県障害者スポーツ大会「輝いてキラリンピック」が通常開催されました。

 私は中学時代、卓球部に一時在籍しておりましたが毎日近くの神社の階段の昇り降りや球拾いの繰り返しであり、気楽に遊べるピンポンと思って入部したため体力面から挫折しました。今、思えば足腰を鍛えることで、わずかな空間で左右前後に瞬時に対応して球を追いかける選手の体力作りだと実感しています。そんなことから、障害者スポーツ大会の卓球競技へ要約筆記者として派遣させていただきたいと強くお願いし毎年行かせていただいています。令和5年度の会場は総社市の吉備路アリーナ体育館でした。開会式典では椅子に座り参加選手の横でノートテイクした文字を見てもらいながら情報保障をしていきます。しかし、昨年度はコロナ禍の中でもあり開会式はなく、放送で開会挨拶や注意点が流され、立ったままでペンを走らせるというやり方だったので大変やりにくかったことを覚えています。競技が始まると卓球参加選手の皆さんの元気な声で熱戦が繰り広げられ感動します。コロナ前は高校生だった人たちも社会人として出場し、実力も向上しておりコロナ禍の数年間の空白を感じさせられました。

 要約筆記者は試合中は観戦していると思われがちですが,審判の注意やトラブルで急遽出番が回ってきます。試合の合間の休憩中も内容変更や表彰について放送されますが館内は難聴者にとっては聞きづらい状況です。それまで毎年、朝から夕方まで参加選手たちは試合を繰り広げていましたがコロナ明けの去年は休憩時間も短縮され、午前中だけで終了するという寂しい流れでした。それでも選手たちは久しぶりの開催に元気にワイワイと奮戦されていました。全試合終了後に例年はクラス別に表彰式があり、私たちは選手にノートテイクで表彰内容を伝えていましたが昨年度の大会表彰は大会主催者の所で個別に賞状やメダルを受け取りました。参加者全員が椅子に座って順次、表彰される光景は壮大で感動的でしたがコロナという社会状況の中では仕方がないことでした。

 今年度は5月に岡山市南区の浦安文化体育館での開催となっていますが個人的な都合で行くことがかなわず大変残念です。今年はきっと通常通りの開催になるのだろうと想像しています。中学時代には挫折した卓球ですがこのような形で障害者競技に関われることができ本当に嬉しく思っています。スポーツを通じて選手の役に立ち、自分も好きな卓球なので来年度は是非ともこの場に支援者として立ちたいと思っています。この時期になると卓球競技会場のことを思い起こします。昨年のことを振り返ってみました。