「備前要約筆記クラブの近況とこれから」

備前要約筆記クラブ 藤原涼子
 気候変動の激しい中、早く秋の気配が感じられるようになってほしいと思いながら今年度の活動を振り返っています。
 備前要約筆記クラブの今年度は、昨年度要約筆記者養成講座を受講して下さった方々の希望を取り入れ、ステップアップ研修の開催を企画いたしました。出席者を増やすため、内容の充実を図るためにはどうすればよいかと。時間帯なども例年通りとするのではなく夜の時間帯も加えてみました。色々と工夫の結果、出席率も増え、今まで出席できなかった人の参加もありステップアップ研修を開催することができています。備前市には県登録の要約筆記者養成指導講師が複数人居ますのでその方々の指導を受けながら皆さん真摯に取り組んでくださっています。
 今回のテーマは「要約力を磨く~話し言葉の要旨を聞きつかみ同質の言葉にどう置き換えるか~」にしています。要約技術の基本を意識しながら、聞こえてくる言葉をどう置き換えていくか。要約筆記の基本に立ち返り、各自の要約力の向上に励みました。それぞれの要約文を披露し合い,お互いにヒントを得ながら要約文を練り直す作業を繰り返すことで一歩一歩と力がついていったと思っています。皆さんとの意見交換の中から自分の要約に気づき、修正しながら平準化を図っていく大変良い研修になったと思っています。他の取り組みもしました。日頃、あまり気にせず新聞を読み流している時事用語を理解し書き表せるようにという書き取りに向き合いました。例えば防災用語や認知症に関わる言葉など正しい表記ができているでしょうか。正しく書けるよう漢字にも向き合う時間を設けました。
 当クラブでは今まで個人派遣での要約筆記を利用してくださっていた方々が高齢化もあり依頼がめっきり少なくなりました。備前市と社会福祉協議会からの全体投影による派遣依頼が年間通して数回という現状です。現場感覚が薄れていくことへの不安感があります。そんな中で、毎年恒例の活動にも取り組んでいます。秋のイベント「備前焼まつり」「市民ふれあい福祉まつり」です。備前焼まつりではブースをいただき、私たちが考案したリーフレットを元に来場者への要約筆記の啓発活動に励みます。要約筆記のちょっとしたミニ体験会にも参加して頂き文字でのコミュニケーション支援について知って頂ける機会を作っています。同時に手作り品なども出店し、お祭りを盛り上げることにも貢献しています。要約筆記を知って頂けるよう、利用に繋がるよう、そして、聞こえづらい人たちへの配慮ができる人が増えていくようメンバー十七名でコツコツと活動を継続していこうと思っています。これからも宜しくお願い致します。