「要約筆記者としてのこれから」

倉敷要約筆記サークル 友田玲子

 私は一昨年、統一試験の2週間前に突然左耳に異常を感じました。テレビの音が割れて聞こえ、自分の話す声もエコーがかかって聞こえました。コロナ禍の中、病院の受診を迷っていたのですが、日々悪化したので思い切って受診しました。医師から「あなたの耳は80歳の聴力です。薬が一週間で効かなければ大きい病院を紹介します。」と言われました。この時、初めて難聴者の方のつらい気持ちが少しだけ理解できました。

 当日、受験はしたものの、実技試験の音源の言葉を聞き取ることが全然できず、結果は不合格でした。この先、耳が悪いままだと、限られた活動しか出来なくなるからサークルを辞めようと思い始めました。そのとき、同じサークルのひとりの方が「友田さんが要約筆記者の存在を知り、また、誰かに話すことで要約筆記の周知が出来てるんよ。」と話してくれるなど温かい励ましもあり、このたび再受験の末、合格しました。3月のサークル日誌に、別の先輩要約筆記者の方が「統一試験合格、友田さんおめでとう!」と書き添えてくれていました。とても嬉しかったです。

 5月の現任研修では、宇田川先生の講演の事例検討で要約筆記活動をするなかでの問題点や適切な対応の取り方についてのお話があり、会場におられる皆さんと考え、これから活動していくうえでとても実りのある講演でした。

 先日、倉敷難聴者協会の手話講座の全体投影の活動をしました。講座終了後の振り返りの時、先輩要約筆記者の方が、この講座は難聴者の方が手話を習うのが目的なので、スクリーンと講師の手の動きを交互に見ると視線移動の負担が大きくなるので、講師の手元に集中できるよう端的に表記しましょうとアドバイスをもらいました。

 日々、現場で活動することで学ぶことが増えていき、自分が成長していくことが楽しいです。サークルの皆さんと共に充実した活動を送れそうです。