「笠岡要約筆記サークルの紹介」

笠岡要約筆記サークル 徳山佳代子

 笠岡要約筆記サークルは、現在会員8名で活動しています。講演会や式典などへの派遣がほとんどで、個人を対象にした派遣は年間を通して数回しかありません。この状況がここ何年か続いています。昨年度までは活動の中心は手書き要約筆記でしたが今年度からは、パソコン要約筆記を主にした派遣対応を行うことになりました。会員数の減少や会員の高齢化などにより、年々、派遣できる人数が限られてきたことと、時代の変化に少しでも追いつくことを考慮し手書き要約筆記も残しつつパソコン要約筆記に比重をかけた活動にしていっています。サークルにとっては大きな決断です。当クラブではかつてパソコン要約筆記の学習を積んでいた時期もあり経験していた先輩たちもいたことから再履修をしながら取り組んでいます。そして半年が過ぎた今、少しずつですが前進しています。要約筆記の活動では事前の準備がどれだけできているかが重要だと常々感じています。講演会ならば講師の著書を読んでおく、担当者と連絡を取り合い原稿があるものは事前にいただく、リハーサルがあれば参加させていただくなど時間が許す限り準備に時間をかけています。担当職員には「また来た」と思われているかもしれませんが少しでも「伝える」ための努力はしていきたいと思っています。

 笠岡では個人を対象にした派遣が少ないこともあり、私たちの活動が本当に役に立っているのか、必要とされているのかを直接知る機会がほとんどありません。また、派遣先の機器を設置する場所からは客席が見えないことも多く、会場にいる人たちがどのような反応をされているのか見ることも少ないのが現状です。そのような中でも来場者から「文字があって助かりました」と言われたりすると続けてきてよかったと実感します。

パソコン要約筆記に取り組んでいると言っても長時間の講演会などは独自では対応できないことが多いので県要連への派遣要請を主催者から出していただくようにお願いしています。このような現状ではありますがパソコン要約筆記、手書き要約筆記のどちらにも対応できる要約筆記者を目指し少しでも多くの人たちのお役に立てる活動ができるように今後も努力していきたいと思っています。そのための定期的な学習会も実施ながら研鑽を積んでいます。また、基礎的な学習の再履修に取り組むときには、県の要約筆記者養成講師団から指導に来ていただき多くの気づきを発見しスキルアップを図っています。

 しかし、何といっても一番の課題は要約筆記の仲間を増やすことです。「体験会」の開催など真剣に考えていきたいと思っています。