難聴についての話題がテレビの番組で

2021年7月号巻頭言
難聴についての話題がテレビの番組で
   公益社団法人岡山県難聴者協会 会長 妹尾克己

 NHKの「所さんの大変ですよ。コロナで耳の病気急増」で耳の病気や難聴についての最新の話題が取り上げられていましたので、紹介したいと思います。
 まずは外耳の炎症のこと。コロナ禍で在宅の仕事が増え、リモートで打合せするなど音声をイヤホンで聞くことが多くなっています。長時間イヤホンを付けていて、外耳道が密封状態になり、細菌による炎症を起こす人が増えているそうです。私たち難聴者は補聴器を寝る時は外しますが、一日中付けていることも多く、気になるニュースです。私の補聴器は耳掛け型でイヤーモールド(耳型)を使用していますが、特に夏は耳の中が汗をかき、湿っぽくなるので気を付けたいですね。耳の中は意外と細菌が多いとのことなので、清潔に保ちたいものです。ただし、耳かきや綿棒を使いすぎるのは傷つきやすいので注意してください。
 次に歌手の松崎しげるさん(71歳)が登場。松崎さんは長年歌手として大音量にさらされる生活を送ってきたせいか、耳が遠くなり、有毛細胞の減少による加齢性難聴と診断されました。歌手なのに聞こえにくいと大変ですが、何を言っているか分からないときは、愛想笑いでごまかしていたそうで、そうそうと思いました。でも補聴器装用により聞こえを取り戻されたとのこと。わが国では加齢性の難聴者が、65才以上で半数になるそうです。聞こえにくくなったのに、補聴器を嫌がって付けない方も多いようですが、耳からの刺激・情報が入らなくなると、社会的孤立に陥り、認知症になりやすいと専門家が指摘していました。
 続いて補聴器の話題に。近年は補聴器の進化が進んでいます。補聴器の心臓部であるICチップの性能の向上によるところが大きく、チップの更新の度に音質だけでなく、使いやすさが向上しています。特にスマホと接続してスマホシステムの一部へと融合していく方向に向かっているようです。音量調節などもスマホで行えますし、AIにより騒音を抑制し、聞きたい音をクリアに聞くことができ、またスマホの音声を直接補聴器で聞くことができるので、大変ききやすく便利とのこと。どのようなものか使用を検討してみたいですね。片耳50万円とのことで、価格もそれなりになりますが、使われている方はもう手放せないそうです。こういう番組で難聴に関することが取り上げられると、一般の方にも知っていただけ、関心も深まりますので、いいですね。