岡山難聴2016年10月号巻頭言

「共生社会おかやま」の実現を目指して

  岡山県保健福祉部障害福祉課長 竹田 人士

 今年4月に障害福祉課長に着任して、約半年が経過しました。7月に神奈川県の障害者支援施設で発生した事件は大変衝撃的で、痛ましいものでした。県では、県内でこうした事件が起こることのないよう、事件後直ちに、すべての福祉施設と市町村に対し、緊急時の防犯対策の徹底等について呼び掛けを行いました。今後も、警察や市町村など関係機関とも連携しながら、障害のある方をはじめとする県民の皆様の安全確保に努めていきたいと思います。
 また、今回の事件によって、障害のある方への誤解や偏見が助長されるようなことがあってはなりません。県では、今年4月に施行された障害者差別解消法の趣旨も踏まえ、多様な障害の特性を理解した上で、障害のある方が困っているときにちょっとした手助けを実践する「あいサポート運動」を推進しています。既に6千名を超える方々に「あいサポーター」になっていただいており、今後もこうした活動を通じて、誰もが暮らしやすいバリアフリー社会の実現を目指していきたいと考えています。
 連日熱戦を繰り広げていたリオデジャネイロ・パラリンピックが幕を閉じました。日本代表、特に、初出場ながら2つの銀メダルを獲得した佐藤友祈選手をはじめとする岡山県勢3選手の活躍に、大きな感動を覚えたのは私だけではないと思います。「失われたものを数えるな、残された機能を最大限に活かせ」というパラリンピックの理念そのままに、選手一人ひとりがそれぞれの障害と向き合いながら大変な努力を重ねて能力の限界に挑戦する姿を拝見し、私たちもまた、持てる力を最大限に発揮できるよう努めていくことが大切だと感じました。
 今後も、岡山県難聴者協会の皆様方をはじめ、関係者の方々との協働を基本としながら、障害の有無によって分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら生き活きと暮らすことのできる「共生社会おかやま」の実現に向けて取り組んでいきたいと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。