活動自粛から1年

せとうち要約筆記クラブ
爲房 悦子
 

昨年から日本列島、いや世界をも襲う新型コロナの影響で、経済をはじめ、さまざまな分野で制限もかかり、日常がすっかり変わってしまいました。それでも昨年6月末から今年の7月末までは行政からの派遣依頼も多く、感染対策をしっかり行ったうえで要約筆記の派遣に対応することができました。
昨年、コロナに対して不安を感じている人も多いときに、会員に派遣対応について話を聞いたところ、皆が「コロナは怖いけれど、自身の感染対策をしっかり行ったうえで、要約筆記の派遣については対応します。」と言ってもらい安心した記憶があります。「感染が怖いので派遣は断ります」という人がいてもおかしくないと思っていたので感動しました。
それからは、派遣の際は不織布の二重マスクとフェイスシールドをつけ、ペンも消毒して対応することとしています。連絡はテイク用紙にメモして見せるなど、気をつけています。これは今後もずっと継続していくことになるだろうと感じています。要約筆記のニューノーマルになるかもしれません。
高齢の難聴者のかたと会った際、「マスクで口が見えないから不便」とよく聞きますが、飛沫感染のことを考えると要約筆記者がマスクを外すのはとても勇気がいります。難聴はコミュニケーション障害と言われ、集まりでふれあうことが大切だということも承知していますが、感染が増加している今、それは非常に困難です。その中でどうやって繋がりを継続していくかも課題です。
最近は口元が見えるマスクも販売されているようですが、なかなか手に入りません。
個人派遣では対面で要約筆記を使っていただくことが一番だと考えています。最近は遠隔リモートやオンラインでの情報保障も増えています。
スーパーや病院、店などではどこも今は検温モニターや除菌剤などが正面に置かれるようになり、モニターにははっきりと日付、時間、検温値や字幕、音声まで出るようになっています。見て理解できることが広がっていくことで全ての人が安心できます。
今年に入ってからクラブの定例会が会場の都合で使えずストップしたままでした。それも8月末までなので、9月には新たな気持ちでクラブ員と情報交換含めた内容で例会を充実させたいと思っています。まずは要約筆記とは?の説明力の復習です。今更ですが、相手に合わせての説明をしっかり確認し共有したいです。
瀬戸内市は今年から補聴器の助成が予算に加わりました。「せとうち難聴者の会」の努力の賜物ともいえます。当クラブもいろいろな形で支援していきたいと思っています。