「 令和7年度 総会挨拶から 」

公益社団法人 岡山県難聴者協会 会長 森  俊己

 令和7年度定期総会開催にあたり、まずは、皆さま方のご支援とご協力をいただきながら、岡山県難聴者協会の活動が今日まで続いておりますことに、深く感謝をいたします。また、当会も設立55年となり、先人のご苦労あっての今日という感もございます。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私が難聴者協会に入会した当時は、国際障害者年のスローガンとして「完全参加と平等」が謳われていました。時を経て、「私たち抜きに私たちの事を決めないで」のスローガンのもと、障害者権利条約の批准に向けてさまざまな国内法が整備されてきました。情報機器の発達にも助けられ、暮らしやすい社会になってきてはいますが、共生社会が実現されたとは言い難く、未だ道半ばです。新たな法制度を背景に、当事者として、あらゆる場面で声を出してほしいと思います。

 孤立を招きやすい障害を抱える私たちにとって、仲間と集う協会での交流や活動は大きな支えとなっています。そして、それが明日への英気を養い、社会で活躍するきっかけとなれば、この会の持つ意義は大きいと考えます。また、社会に向かって発信する啓発活動も大きな柱となっている事を忘れてはなりません。

 この度、難聴理解を促すためのパンフレット『聞こえない、聞こえにくい 難聴って、何なん?』を作成し、私たちがどのように困っているのかを知ってもらうため、県下すべての自治体、社協、公民館等に配布しました。小さな一石ですが、社会に波紋が広がればという期待と希望を込めて取り組んでいきます。

 一人では難しくても、岡山県難聴者協会として皆さまと一緒に社会に働きかけ、高齢社会の到来とともに増加を続ける加齢性難聴の方も含め、孤立しがちな仲間を皆で支え合って、協会を盛り立てて欲しいと思います。

 活動の基盤となるべき岡山県難聴者協会が長く存続していくためには、世代交代と組織基盤の充実が重要です。会員の拡充、資金の確保等、皆さまのお力添えが不可欠です。どうかご協力をお願い申し上げます。