2020年12月号巻頭言

補聴器について

公益社団法人岡山県難聴者協会会長 妹尾克己

皆さん お元気でお過ごしでしょうか。今年はコロナ禍で外出自粛が続き、色々な行事が中止となり、家に引きこもりがちになった方が多かったのではないでしょうか。当会の会員は高齢者の方が多く、体調不調を訴える方も何人かおられました。外に出ても皆マスクをしているのでコミュニケーションが取りにくく、生活に不便をきたしておられることと思います。
 私達のコミュニケーションに欠かせないのが補聴器です。普段はあまり関心を持つことなく過ごしているのですが、数年前から「聞こえの相談会」に関わるようになり、また要約筆記養成講座で福島邦博先生のお話を聞くようになって、知識が少しずつ増えました。
 医学の進歩、テクノロジーの進歩は、補聴器や人工内耳などにも及んでいます。毎年「よくわかる補聴器選び」(八重洲出版)という本が出ており、2021年版を購入して読んでいます。補聴器の使い方や最新の情報を網羅し、「補聴器で健康寿命をのばす!」「認知症・うつ病対策に補聴器が効果あり!」と表紙に書かれています。
 昨年シンポジウム「加齢性難聴を考える」を開催しました。パネリストの方から加齢性の難聴と認知症とは関連があるので対策が必要との発言を頂きました。岡山県にも働きかけましたが、難聴と認知症の関連については現在厚生労働省で報告を作成中で、その報告を待って動くことになるようです。しかし高齢者難聴者は数が多いので、補聴器助成を制度として確立するには財源の問題もあるようです。粘り強く訴えていく必要があると思います。
 この本は難聴についても分かりやすく説明してあり、難聴者は是非手に取って読んでいただきたい本です。