「明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。」

「明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。」

 岡山県要約筆記団体連絡会(略称は県要連)は県内の地域要約筆記十三団体で構成され要約筆記奉仕員、県登録要約筆記者を合わせて200名を超える集団となっています。県要連の活動は意思疎通支援者としての役割を果たすことが大きな目的ですが岡山県担当課主催の会議等にも参加し当団体の活動に関わる現状について知って頂く機会を頂いています。そのうちの二つの会議をご紹介します。
一、意思疎通支援事業担当者会議
 会議の目的は、意思疎通支援事業は聴覚障害者の社会参加を促進するうえで重要な制度。しかし、市町村により実施内容に差異が生じていることも現実。本事業の実施状況を把握し課題などを整理し県・市町村と関係団体が連携を深め、より適切な実施方法を検討するために担当者会議を開催するということが目的となっています。議題の中核は市町村ごとの本事業についての実施状況アンケートを集約した結果をもとにした意見交換や当事者団体・支援者団体の現状について各団体からの報告。そして、グループに分かれての市町村間での意見交換会。参加団体機関は市町村・県・当事者団体三団体、支援者団体五団体、岡山県聴覚障害者センター。各団体から2名から3名の参加となっています。
二、県と障害福祉関係団体との意見交換会
 この会は県障害福祉課が岡山県難聴者協会、岡山県要約筆記団体連絡会から県への個別意見・要望を聞いていただき、それに対して担当課の方から回答、説明があります。意見・要望に対し即答が無理な場合は関係部署へ伝え、ともに検討するというケースもあります。事前に県への意見・要望を簡潔に取りまとめ提出しています。県要連からは要約筆記者養成について。県内各地から参加の受講者の地域差が顕著であり、このことから市町村に登録する要約筆記者の点在に大きな地域差が出てきているという課題。平日の活動に対応できる人が少ないという課題。情報保障の在り方も多岐にわたり、より専門的な技術を持つ要約筆記者の育成についての課題等々を県に向けて説明しています。又、現在行われている要約筆記者の技術向上と資質の維持を目的とした現任研修の継続についても要望しています。
 以上二つの会議を通して確認できたことや気づかされたことは少なくありません。要約筆記は法制度のもと派遣事業の一環として行われているという意識を持つことの必要性、コミュニケーション不全を抱く当事者の努力も大事だが周囲の理解や配慮を求め良好な社会環境が整うよう努めることも大切な役割だと実感します。
 当団体としての願いは、多くの人たちに意思疎通の支援に文字を利用した公的な福祉サービスがあるということを知って頂きたいということです。(県要連事務局から)

「岡山要約筆記クラブの活動紹介」
 令和4年12月18日、晴天ではあったが雪がちらつく寒い一日。岡山コンベンションイベントホールにて「岡山市人権週間市民のつどい」が開催され会場内に体験ブースを提供いただき「要約筆記チョコッと体験」をテーマに啓発活動を致しました。「笑顔はみんなの愛ことば」がイベントコンセプト。ステージでのイベントと共に会場内には多くの団体のブースが並び、入場者に人権を知っていただく機会にしたいという趣旨での開催。私たちも要約筆記を多くの市民の方々に知っていただく絶好の機会と捉え準備しました。「要約筆記の体験」と「字幕付きで絵本の読み聞かせ」のふたつのコーナーを設置。総勢13名のメンバーが大活躍。想像を超える多くの入場者に驚きながらブースに寄って下さった一人ひとりに丁寧に接していきました。要約筆記には短期記憶、長期記憶が必要。記憶の訓練に挑戦していただいたり、字幕付き絵本の読み聞かせには字幕前ロールを準備、指の形の差し棒で示しながらの進行。子どもたちだけでなく保護者も食い入るように聞き入って下さいました。「面白かった」という声も届き、笑顔で去っていく人たちの様子にメンバー一同、達成感を感じた一幕でした。勿論、ステージでのプログラムにも情報保障が付き当クラブが要約筆記を担当。こちらも入場者から「あれが要約筆記なんだ!素晴らしかった」と声がかかり大掛かりな準備の疲れも吹き飛びました。