「基礎に戻って要約筆記の学習をしています」

美作要約筆記サークル 瀬屋光子
 ずいぶん前になりますが要約筆記の養成講座を再受講することを先輩より勧めていただきました。柔軟には受け入れられなくなった頭に喝を入れながら受講いたしました。サークルには勉強させていただくつもりで入らせていただきました。先輩方がサークルを継続してこられた原動力についてよくお聞きしました。活動の中で今は亡き難聴者の人との関わりがあり、利用者、支援者としてだけでなく気持ちが通い合う関係にもなった。時には厳しく、時には温かく声をかけていただく中で要約筆記者として育てていただいたということをよくお聞きしました。私が受講したころはお元気だったので、養成講座の時にはその難聴者に参加いただき難聴者として体験を語ってくださったり、要約筆記の活動に取り組む際のアドバイスを沢山いただいたことを思い出します。先輩方とその難聴者との信頼関係に心温まる思いが致します。
 新型コロナ感染症に関する対応の仕方が少しずつ変化する中で自粛も緩和され様々な行事が実施されるようになりました。当サークルでも要約筆記の派遣依頼を頂くようになりました。私も現場に初めて出かけました。瞬時に簡単な漢字が出てこない、的確に要約ができないなど緊張の連続でした。同時性を心掛けながら「速く、正しく、読みやすく」を基本にペンを走らせました。先輩方のようにスムーズに書き進められるようになるには相当の努力が必要です。日々、自己研鑽を積むことが大事だと先輩に教えられました。当サークルでは要約筆記の基礎知識を学び直そうということで昨年より要約筆記者養成テキストを地元の養成講座の指導者研修を修了された先輩の指導のもと学習しています。ロール書きやノートテイクの実技の中から見えてくる表記の再確認、略号や略語の正確さ、漢字の使い方など基本に立ち返って検証します。また語彙力アップのためのプリントなどにも取り組みます。なかなか難問ぞろいのプリント内容に四苦八苦しながら立ち向かっています。自宅で一人ではなかなか学習できないことも仲間と共に取り組むことで楽しく前向きに学習でき基礎力向上につながっていると感じています。このような地道な学び合いが派遣現場でのチーム活動に活きていると確信しています。要約筆記という専門的な知識や技術を求められる通訳活動に取り組むためにサークルの仲間と一緒に切磋琢磨している学習の様子を皆様にご紹介いたしました。意思疎通支援事業の担い手集団として当然のことですが県北の美作市でも少人数の仲間たちで今後も研鑽を積んでいきたいと思っています。春になり行動制限も緩和される社会に移行することでしょう。春が来た美作市に足を延ばしてくださりサークルの学習会にも覗いていただけると嬉しいです。