前進

「前進」
やかげ要約筆記サークル 田尻文子

 前号の「岡山難聴」7月号でも取り上げられていたけれど‥障害を理由とする差別の解消推進に関する法律の一部を改正する法律が令和3年6月4日に公布になり3年を超えない範囲において政令で定める日となったということである。
障害にかかわらず、人の住む社会において差別はいたるところで起こっていると思う。学校、職場、地域で、日常的に行われていると言っても過言ではない。
 以前、私は子どもの健全育成にかかわっていたことがあったが、子ども同士の間で親も先生も知らないところで、仲間外れにしたり、相手を傷つけるような言葉をあびせたりするのをよく見かけたものだ。私は何もできなかったし、どうしたらいいのかわからなかった。今、要約筆記者として活動しているといっても、ただ聞こえの支援をしているだけではないのか、これでいいのかと自問自答することもよくある。
 折りしも、先日何気なくテレビを見ていたら「電話リレーサービス」について説明をしていた。普通、電話というものは、もっぱら音声によって意思疎通を図るものであって聴覚障害者が介助を受けずに電話を利用することなど不可能だ。それがこのサービスを利用すれば、通訳オペレーターが手話や文字と音声とを通訳することにより24時間・365日、双方向につながるというサービスだそうだ。このサービスは、令和3年6月に公共インフラとして制度化されているとのこと。
 障害があるなしにかかわらず。その人らしい人生を生きていくことは、大切なこと。このようなサービスも大きな前進だと思う。
 今年の夏も、サークルでは「2021夏のボランティア体験」で中学生四人を受け入れることになっている。まずは、差別について中学生たちと一緒に考えていきたいと思う。