2020年1月号巻頭言

新年のごあいさつ

 

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会

理事長 新谷友良

 

 

明けましておめでとうございます、加盟協会の皆さまには日ごろから様々な面で全難聴の活動を支えていただきお礼申し上げます。

昨年9月、10月の台風では多くの方が亡くなられ、被災されました。改めてお悔やみ、お見舞い申し上げます。地震・津波・風水害など様々な災害に対して、全難聴としてどのように組織的に対応するか、理事会で議論しながら具体的な形を整える前に今回の被災を見ました。対応の遅れを深く反省し、早急な組織整備を進めてまいりたいと考えております。

さて、昨年11月23~25日には、滋賀県大津市で第25回全国中途失聴者・難聴者福祉大会が開催され、全国各地から450名以上の方に参加いただきました。大会に参加いただきました皆さま、また大会開催にあたり懸命な努力をされた滋賀県中途失聴難聴者協会の皆さまに心よりお礼申し上げます。

今回の福祉大会では、日本身体障害者団体連合会会長(日身連)の阿部会長をお招きして「日身連の活動と全難聴に期待すること」というテーマで講演を頂きました。講演では、日身連の抱える様々な課題を率直にお話しいただき、活動の原点としての地域組織と全国団体の在り方について貴重なアドバイスがありました。また今後の活動の柱として「心のバリアフリー」と「ユニバーサルデザインの街づくり」を挙げられ、日身連と全難聴が同じ方向を向いて活動していることを改めて確認いたしました。

また昨年は、文部科学省と厚生労働省が「難聴児の早期支援に向けた連携プロジェクト」報告を発表し、国会では自由民主党議員を中心にした「難聴対策推進議員連盟」が「Japan Hearing Vison」をまとめるなど、様々な難聴問題への取り組みが見られました。しかしながら、その内容に当事者の声がどの程度反映されたかについては、忸怩としたところがあります。

私たち中途失聴・難聴者は聞こえの問題を通じて、共生社会・ユニバーサルな社会の実現に大きな責任を持っています。令和の2年目、東京オリンピックパラリンピックの開催の年を迎え、全難聴は改めてそのような課題に全力で取り組んでまいりたいと決意しております。加盟協会の皆さまの全難聴に対する絶大なるご支援をお願いして、新年のごあいさつとさせていただきます。