岡山難聴5月号巻頭言「新たな要約筆記者の誕生」

 

「新たな要約筆記者の誕生」

         岡山県要約筆記団体連絡会 会長 佐藤聡子

 

 

4月21日に岡山県要約筆記者証交付式が開催されました。昨年度の全国統一要約筆記者認定試験に合格した10名に、他県より転居された1名を加え11名の人たちへ岡山県障害福祉課片山課長様より交付して頂きました。7ヶ月間、84時間という養成期間をかけての要約筆記者養成講座を修了し、登録試験に見事合格した人たちの立派な姿に要約筆記者として共に歩んでいける期待と喜びで一杯でした。

社会の変化と共に要約筆記者に対しても高い専門性を持った人材の育成が求められるという観点から、厚労省より要約筆記者の養成や登録試験等についての方針が通知されたのが平成23年のことでした。岡山県においては翌年度の平成24年度より早速に新たなカリキュラムの基で、要約筆記者の養成が行われ、登録試験も実施されました。そしてこの事業も6年を終えたところです。この間、実施事業体である聴覚障害者センターと、事業への協力団体である岡山県要約筆記団体連絡会(県要連)の両者が、一年を終えるごとに検証を重ねながら内容の充実を図っていけたことで当初の目的であった専門性の高い知識、技術を持つ要約筆記者が育成できたと思います。要約筆記を必要とする人が、いつでも、どこでも、誰でも、当然の権利として要約筆記を利用できるように、新たな仲間を加え福祉サービスの担い手集団として研鑽を積んでいきたいと思っています。

また、岡山県要約筆記団体連絡会(県要連)として、岡山県が推進している「あいサポート運動」への協力団体としての活動にも取り組んでいます。平成28年11月に「あいサポート企業、団体」として認定証交付を受けています。県要連の会員全員があいサポーターとしてバッジを着用し「障害を知り、共に生きるバリアフリー社会の思いやり」という運動の趣旨を理解し仲間の輪を広げていく運動に取り組んでいます。要約筆記を必要とする支援者としての場面、地域社会の中で誰もが暮らしやすい共生社会の実現を目指すあいサポーター活動の場面、どちらも一人ひとりの力が試されます。あらゆる場面で、広い視野を持つ要約筆記者であり続けたいと願っています。

新たに誕生した要約筆記者たちが持っている難聴の人たちの役に立ちたいという志を、当事者の皆さま方にもしっかりと受け止めていただけることを願っています。