「共生社会に向けての取り組み」

岡山県要約筆記団体連絡会  会長 佐藤聡子

 

障害者差別解消法が施行され1 年が過ぎました。合理的配慮、共生社会、バリアフリー社会という言葉を耳にすることが増えてきたように感じられます。これらの言葉が特別な言葉ではなく当たり前の言葉となっている社会であってほしいものです。

多くの地域で差別解消に向け障害者当事者団体、行政・医療・福祉・保健分野の方、弁護士の方々を委員として地域協議会等が設置され、様々な事例を持ち寄って情報交換や問題改善のための議論がなされているようです。その内容は細かく公表されています。今まで気づかなかった視点からの抗議や配慮不足の訴え等が列記され、その改善策についても書かれています。差別されたと思う人が当たり前に声を上げ、それに対してどのように配慮を行ったか、配慮が不可能な場合はその理由をどう説明していったかということが細部にわたって公表されているので、私たち障害者を支援する者としても大いに参考になり活動に活かせる内容でもあります。

私たちは要約筆記という活動を通して中途失聴・難聴者の支援を行う団体ですが、日常生活の場面でも様々な障害を持った方々や、高齢者の方々と接することが沢山あります。困っている人を見かけたら自然体でサポートできる人でありたいという思いは、多くの人が持ち合わせている感情だと思います。差別解消法の施行に伴い、岡山県が「あいサポート運動」の推進に取り組んでいるとのニュースを知り、私たち要約筆記団体として誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて、この運動に参加、協力したいという皆さんの思いを受け、岡山県に「あいサポート運動」の認定団体としての申請をさせて頂きました。そして岡山県より認定団体として認めて頂き、研修を受け運動の趣旨を理解した上で、「あいサポートバッジ」を身につけ「あいサポーター」として活動を始めています。サポーターとしての視点を持ち、障害者への必要な配慮を率先して行い、誰もが暮らしやすい共生社会実現に向けて活動しています。これからも、さりげない配慮が自然体で出来るよう取り組んでいきたいと思っています。

さて、今年度の岡山県要約筆記者養成講座が6月4日から12月3日までの合計18回、開催されます。県内各地から多くの方々が参加され意志疎通支援の担い手を目指し熱心に受講されることと思います。しっかりと育成に取り組んでいきたいと思っていますのでご支援のほどよろしくお願い致します。