岡山難聴2016年11月号巻頭言

センター設立十年を記念して

    岡山県聴覚障害者センター所長 中井 智子

平成17年9
月。岡山県聴覚障害者センターの業務がスタートしました。
岡山県視聴覚障害者情報提供施設条例第一条「(略)聴覚障害者の福祉の増進を図るため、身体障害者福祉法第三十四条に規定する視聴覚障害者情報提供施設として、(略)岡山県聴覚障害者センターを岡山市に設置する」に基づき、岡山県により設置された施設です。残された書類から読み取れる経緯も、法や条例に基づいた施設の開所がイメージされます。
しかし、センターの開所は、聴覚障害者の方々の願いや熱い思いがあり、それを支える人々の動きがあってこそ実現したのだといえます。10年が過ぎ、今回の実行委員会を重ねる中で語られたことや、実際に立ち上げに携わられた方のお話から、そのことが強く感じられました。その切なる願いは、単に記念誌を作成するために行った、開所当時から変遷してきた事業の整理や事業に関するデータ整理では、読み解けないことでした。
さて、この11月6日(日)に、岡山県聴覚障害者センター設立十周年記念事業を執り行います。この記念事業の実施に当たっては、岡山県難聴者協会、岡山県聴覚障害者福祉協会、岡山県手話通訳問題研究会、岡山県要約筆記団体連絡会の皆様方のご支援をいただき、実行委員会を設置し、準備を進めてまいりました。5周年、10周年と節目を大切に、皆様方から祝っていただけるセンターであることを大変誇りに思います。
記念事業は、「センターふれあいフェスティバル」の愛称を引き継ぎ、記念式典、記念講演、ステージ発表等を計画しています。
記念講演は、NPO法人MAMIE理事長、安藤美紀氏にお願いしています。聴覚障害者として生まれ、今日に至るまでのお話を通して、NPO法人 MAMIEを立ち上げたきっかけや聴導犬普及活動への想い等、「聴導犬とともに生きる」と題してご講演をいただきます。
岡山県聴覚障害者センター、10年の節目に、一人でも多くの方に立ち会っていただき、皆様方とともに、新たな一歩を踏み出したいと思います。