2021年1月号巻頭言

新年のごあいさつ

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 新谷友良

 明けましておめでとうございます、加盟協会の皆さまには日ごろから様々な面で全難聴の活動を支えていただきお礼申し上げます。
 新型コロナウイルス感染拡大で、昨年は大変な一年でした。加盟協会の皆さまも、総会・役員会の開催や日常の協会活動維持のために日夜奮闘されていることと思います。コロナ感染の収束のために、一日も早い治療薬・ワクチンの開発が待たれますが、以前の生活や協会活動を取り戻すためには多くの人の免疫の獲得まで、長い時間が掛かることを覚悟する必要があるように思われます。
 このような状況ですので、昨年は全難聴も対面での総会開催を取りやめ、書面審議で事業計画・予算をご承認いただきました。また役員につきましては次期役員選出まで業務を継続する形で、事業運営に当たりました。今年は、なるべく早く活動を以前の形に戻し、対面での総会において令和2年度の事業報告・決算報告をご承認いただき、令和3年度の事業計画・予算のご審議、新役員の選出を行っていただきたいと考えております。
 一方、コロナ感染禍ではありますが、昨年は6月に電話リレーサービス法(聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律)が成立し、12月にはその基本方針も発表されて今年半ばサービス開始が予定されております。また、1月開会の通常国会においては障害者差別解消法の改正が審議される予定で、そこでは事業者による合理的配慮の提供が従来の努力義務から法的義務に改めることが議論される予定です。
 このように国政レベルでは一定の評価出来る動きがありますが、私たちの日常生活においては三密を避けることが求められ、対面でのコミュニケーションが自粛となり、中途失聴・難聴者にとっては大変困難な毎日が続きます。地域によっては、要約筆記利用が激減するなど、私たちの仲間が孤立している状況も伺えます。このような中ですが、地域の協会の存在は一人寂しく暮らしている仲間を支え、協会の活動継続が目前には見えない多くの仲間を勇気づけていることは間違いありません。今回の新型コロナウイルス感染拡大は、そのような皆さまの協会を支えることが、全難聴の使命であることの確認を求めているように思えます。新年を寿ぐのに適切な言葉が見つかりませんが、皆さま力を合わせてこの1年を乗り越えてまいりましょう。