2020年5月号巻頭言

加盟協会の皆さまへ 

(一社)全難聴 理事長 新谷友良 

 新型コロナウイルス感染拡大で、7都府県に出されていた緊急事態宣言が全国に拡大されました。それに伴う外出自粛や休業要請が各地に広がっています。様々な施設が閉鎖され、総会・理事会や各行事が中止に追い込まれて、私たちの活動が非常に困難になりつつあります。

 このような中、加盟協会の皆さまは、家族や仲間たちの安全と安心を守るために、緊張された毎日を過ごされていて、大変お疲れではないかと拝察します。今回の新型コロナウイルス感染拡大は、私たちのみならず社会全体にとって、おそらく初めて遭遇するもので、すべての対応が手探りの状態です。専門家は、「有効なワクチンや治療薬が開発されるか集団免疫ができるまで、対策を続けなければならない」と長期に亘る取り組みが必要なことを強調しています。

 全難聴は5月理事会や6月総会を「決議の省略」をして、同意書を頂くことで対応させていただくことを過日ご連絡しました。また、今年12月開催予定の大分県での福祉大会を来年度に延期する旨をお知らせしました。私たち中途失聴・難聴者にとっては、互いに顔を見合わせ、手を握りあって交流することが何より大切です。そのような機会が失われ、地域の活動も全難聴の活動も、満足な意思の疎通を図ることが非常に困難です。このような状況ですので、ひとりひとりが、相手の顔を心に描き、少しでも相手に寄り添う気持ちが求められると思います。

 加盟協会の皆さま、先ずご自身が、家族が感染しないように、出来る限りのことをしましょう。そして、仲間、近所の方、知人、友人を感染の危険にさらすかもしれない行動を差し控えましょう。今回の新型コロナ感染拡大が終息したあとの社会の姿がどうなるか分かりませんが、今までのような社会のありかたが大きく変容することは間違いないと思います。私たちは今、そのような社会の変化の真っ只中にいます。自覚をもって冷静に行動し、気持ちを折ることなく毎日を過ごしていきましょう。皆で協力すれば、この困難は乗り越えることが出来ると確信します。

皆さまのご自愛をくれぐれもお祈りします。