2020年11月号巻頭言

ウィズコロナの時代に思う

公益社団法人岡山県難聴者協会会長 妹尾克己

今年の初め、今年は東京オリンピックの年だと思っていたら、中止となり、今年は新型コロナウイルス感染症の年として記憶されることになりました。まだ終焉には程遠く先の見えない状況が続きます。わが国では感染者は高止まりの感じですし、ヨーロッパやアメリカなどでは感染者が再び急増しています。フランス、ドイツ、スペインなどでは再び非常事態宣言が出されました。
難聴者にとって、マスクの着用、対人距離を取るなどはコミュニケーションの困難を大きくします。仕事などの面でも、リモートでの会議や研修など、字幕が付かなければ理解しにくい状況が増えています。一方で、テクノロジーの進歩により、音声認識ソフトを使って音声を文字表示することが広がりつつあり、スキルを身に着ければ、難聴者の情報入手の環境は良くなっていくかもしれません。
活動自粛の日々が続き、家にこもりがちにならざるを得ない状況が続くなか、ようやく経済活動再開の掛け声のもと、対策を講じて活動再開の動きが出てきましたが、安心はできません。私はというと、自粛中、畑仕事をする時間が増えました。いろいろな野菜や果物を育て始めました。トウモロコシ、メロン、白菜などこれまで手を付けていなかった野菜にチャレンジしてみました。うまくいったものもありましたが、期待外れのものもありました。果物が好きなので、イチジク、パパイヤ、イチゴ、ブルーベリー、ブドウなどにも手を伸ばして目下のマイブームになっています。植物を育て、観察するといろいろ発見があります。物言わない相手ですが、種から育つ仕組みの不思議さ、生命力の旺盛さを実感しました。
難聴者協会の活動では、臨時総会を開くほか、色々な行事が再開に向けて動いています。昨年シンポジウムを開いて以来、課題としている加齢性難聴者への補聴器助成を関係各位にお願いしていますが、まだめどは立っていません。高齢化社会の進展でますます難聴者は増えていくことから、ぜひ実現したいものです、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。