2019年1月巻頭言

新年のごあいさつ

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 新谷友良

 
 明けましておめでとうございます、加盟協会の皆さまには日ごろから様々な面で全難聴の活動を支えていただきお礼申し上げます。
今年は亥年、4月で平成が終わり5月からは新しい年号が始まります。また、西暦で言ったほうがピンときますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに続いて、2025年に大阪での万国博開催が決まり、大きなイベントが続きます。
そのような中、昨年11月24-26日に山口県下関市で開催されました第24回全国中途失聴者・難聴者福祉大会には全国各地から400名以上の方に参加いただきました。1年に1度、全国の中途失聴・難聴者が一堂に会して交流を深めることは、大変意義深いことと改めて感じております。大会に参加いただきました皆さま、また大会開催にあたり懸命な努力をされた山口県中途失聴・難聴者協会の皆さまに心よりお礼申し上げます。
 今回の福祉大会全体会では、中央大学の秋山哲男教授をお招きして「聴覚障害者が抱えるニーズに応える街づくり・施設づくり」をテーマに講演を頂きました。その中では、「ユニバーサルデザインの街づくりと心のバリアフリー」という大きなお話に加え、交通バリアフリーと聞こえのバリアフリーについての具体的な取り組みの紹介がありました。
 私たち中途失聴・難聴者は聞こえない・聞こえにくいために「聞こえのバリア」を日常的に実感しており、聞こえについてのユニバーサルデザイン・バリアフリーに切実なニーズを抱えています。日本では「聞こえに何らかの困難を抱える人」は1千400万人を超えているといわれており、この数は年々増えて行っています。私たちは補聴器を利用し、人工内耳の手術を受け、手話・読話を学習し、一人一人がコミュニケーション回復の努力をしています。しかし、「聞こえのバリア」をなくす社会全体の取り組みがなければ、このような個人の努力も実を結びません。
私たち中途失聴・難聴者は聞こえの問題を通じて、ユニバーサルな社会の実現に大きな責任を持っています。全難聴はそのような取り組み・運動に今年1年精一杯努力してまいりたいと思います。加盟協会の皆さまの全難聴に対する絶大なるご支援をお願いして、新年のごあいさつとさせていただきます。