10月号巻頭言 高齢難聴者と社会生活

高齢難聴者と社会生活
   岡山県身体障害者福祉連合会 会長 藤田 勉

最近、私は補聴器を着けています。懇意にして頂いている耳鼻科の先生に診てもらうと、軽度の難聴、家族の勧めによりついに補聴器を着けることになりました。いわゆる「加齢性難聴」です。
40代から聴覚は衰え始め、75歳以上では半数が難聴と言われています。難聴になると家族や友人とのコミュニケーションがうまくいかない等の社会生活に影響を及ぼします。耳鼻科の先生に聞くと日本では難聴者に認定されない、聴覚に支障があり、社会生活に困っているのに、身体障害者手帳が交付されない、公的支援が受けられない。
 現在の我が国日本の最大の社会問題は、「少子高齢化」であり、高齢難聴者が増えてくるのは当然なのです。
高齢で難聴になると、
○自信がなくなる。
○認知症になりやすくなる。
○社会的に孤立し、鬱状態に陥る。
怖いですね!日本は先進国同様に、難聴認定の基準を改めて、高齢難聴者の対策を急ぐべきです。
 加齢に伴う難聴は誰にでも起こるのです。
それには、難聴の予防・対策として、
○大音量でテレビを見ない。
○騒音が出ている場所は避ける。
○耳鼻咽喉科で検査してもらう。
○早めに補聴器を着け聞こえやすくする。
等自分で出来ることはどんどん進める事が大切と思います。
 これは難聴一年生の私の実感です。難聴協会の皆さんは難聴の先達、苦労して会得した「聞こえのHow to」を後につづく多くの一年生・幼稚園生に教えて上げてください。多くの高齢者を救い、同時に会員増強につながるものと思います。