新年のごあいさつ

新年のごあいさつ

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 新谷友良

 
 明けましておめでとうございます、加盟協会の皆さまには日ごろから様々な面で全難聴の活動を支えていただきお礼申し上げます。また、11月4-6日に東京で開催されました第23回全国中途失聴者・難聴者福祉大会には全国各地から741名の方に参加いただき、ありがとうございました。全国の多くの中途失聴・難聴者が一堂に会して交流を深めることができ、大変意義深い大会であったと思います。
 今回の福祉大会全体会では日本障害者協議会の藤井克徳代表をお招きして「障害者と情報アクセシビリティ~ 障害者権利条約で新たな地平を~」というタイトルで講演をいただきました。そして障害者権利条約の意義を、①障害分野の初の世界ルール②障害分野の「北極星」③ 社会へのイエローカードの3点にまとめていただきました。障害者権利条約が国連で採択されたのは2006年、早いもので十二支が一回りしたことになります。その間、日本では2009年から障害者制度改革が始まり、障害者基本法の改正、障害者総合支援法の制定、障害者差別解消法の制定がありました。また、2014年には日本も障害者権利条約を批准しました。障害者に対する理解も少しずつではありますが、社会に浸透しつつあるのではないか思えます。
藤井さんの全体会講演ではもう一つ大切なポイントがありました。「他の者との平等を基礎として」という障害者権利条約が繰り返しているフレーズです。この言葉は、私たち障害者が社会からいろいろな支援・サポートを受けて、障害のない人と平等に暮らしていくための根拠となるものですが、一方では私たち障害者が社会に特別な権利を求めるものでは決してないことを意味しています。差別の解消を求め、適切な支援・サポートを求めること(権利)は、私たちの社会に対する責任ある行動(義務)に裏打ちされなければなりません。藤井さんの話を聞いて、私たちの尊厳が権利とそれに伴う私たちの義務・責任によって支えられることを改めて確認しました。
全難聴は今年で法人化されて27年となります。そして、先人たちの努力、加盟協会の皆さんの努力の積み重ねで、全国の障害者団体になかで一定の評価を受ける団体となりました。私たちはそのような成果を、責任ある行動で次の世代にバトンタッチしていく必要があります。加盟団体が一致団結して、全難聴の統一を守って社会に中途失聴・難聴者の存在を示していく必要があります。今年も全難聴の理事会はそのような活動の先頭に立ってまいります。加盟協会の皆さまの全難聴に対する絶大なるご支援をお願いして、新年の挨拶とさせていただきます。