加齢性の難聴について 

「加齢性の難聴について」

公益社団法人岡山県難聴者協会 会長 妹尾克己

 

来年岡山県難聴者協会は設立五十周年を迎えます。この節目の年に、歴史を振り返り、未来へ繋げる力を得たいと思います。具体的には記念誌の制作に取り組みたいと考えています。皆様のご協力をお願いいたします。

さて、私事ですが、年と共に聴力が落ち、今は四級ですが、補聴器をしていても会話を聞き取ることが難しい場面が増えてきました。難聴者協会の会員の方に聞いても、年と共に聞こえが悪くなっている人がほとんどで、難聴になってからが長い難聴者も加齢性の難聴というものと無関係ではないということなのでしょう。また、健聴者についても、私の周りでも、年を取り、聞こえが悪くなって困っているという話をよく聞くようになりました。親戚、知人でご本人やその連れ合いの方について相談されるたびに、先ず耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査をし、補聴器店を紹介してもらうよう話をしています。しかし、すでに補聴器を購入されていても、使っていない人が多いのに驚かされます。せっかく高価な機器を購入したのに、使いこなせず箪笥の肥やしになっているケースがいかに多いことか。高齢で難聴になられた方には、幼少よりの難聴者とは違った様々な障害受容のバリアがあるようです。

老人性難聴を改善するには、補聴器を装用するのが一番です。老人性の難聴は感音性難聴で、神経系の問題ですので、手術や施策でも、治療する事ができません。そのため、補聴器で聞こえを補うしか、今現在は、改善する方法がないとのことです。

補聴器を装用して聞こえにくさを改善する場合ですが、早めに装用する事が重要です。耳と脳には、音声を理解する力というものがあり、聞こえにくさを自覚していながらも、装用を遅らせると、この理解力が低下するケースがあります。認知症になる確率も高いことが指摘されています。早めに手を打ちたいものですね。

多くの方々が悩んでいる加齢性の難聴、これについての様々な問題に関する情報を収集し、お伝えしていくことができればと考えています。皆様よろしくお願いいたします。