代表就任に際して

2021年10月号巻頭言
 公益社団法人岡山県難聴者協会 会長 森 俊己

 過日、開催された当会の通常総会および臨時理事会において代表として選任されました。もとより浅学非才は承知の上ですが、皆様の応援をいただきながら務めさせていただこうと気持ちを新たにしているところです。
 まず思うのは、次の世代に存続可能な組織であることを見失ってはいけないという事です。そのためにどうすれば良いのか? 
1、事務局の強化。誰がトップでも存続できる事。財政の強化を図る事等が喫緊の課題です。
2、会員の増加を図る。IT機器の進歩で情報取得は私が若いころに比べて格段の進歩を見せています。組織に頼らなくても暮らせる個の時代ですが、人は社会的な存在である以上、「集う」ということは有形無形の大きな力でしょう。
 これらは当たり前の事ですが、会員のため埋もれている難聴者のために弱小ながらこの協会は何が出来るのか?どう行動するべきかを念頭に常に持っておきたいと思います。
 そこでまず会員の皆さんに問います。
貴方はこの協会にたどり着く前、人知れず泣いたことはないですか?私はたった一人の世界を送りました。この一人の痛みと寂しさ、くやしさを誰にも味わってほしくないというのが今日までの私の原動力となっています。この痛みを次の世代にもつなげるのでしょうか?当事者だからこそ分かる事、自分に出来る事を小さな事で良い。ほんのチョット気にかけて欲しい。漫画のドラゴンボールのラスト、悟空はみんなから小さな元気玉を集めて巨大な相手に立ち向かいました。主役は私や役員ではなく皆さんです。その力を少し貸して下さい。
 岡山もコロナ禍において難聴者にとっては対面の交流が出来ない事は痛手です。難聴者の居場所、また多くの「隠れた難聴のニーズ」の代弁。福祉の歩みを止める訳にはいかないとコロナと共存の方法を模索しています。届きませんが今後も皆さんのご指導ご鞭撻をお願いし、私の挨拶とします。よろしくお願いします。