コロナとマスク

コロナとマスク
公益財団法人岡山県身体障害者福祉連合会 理事長 藤田 勉

二月如月寒い冬も終わりやがて、梅の花もほころび春に向かって万物が動き始める時期となりました。コロナウイルスが猛威を振るう中、皆様ご健勝でいらっしゃいまか。
さて、政府は三蜜を避け、手洗い・うがいを奨励し、マスクの義務的着用を世間に言いはやしていますが、現在のところ下火になった兆候は見られません。
私もマスクを着用しておりますが、実は困ることが有ります。私の友人に重度の難聴者がおります。有能で判断も適切で、信頼のおける人です。彼女は、読唇で口話を中心にコミュニケーションを行います。そこで、マスクをした私の言葉が正確に伝わらない。困りました。困りました!私は障害者の代表として、率先してマスクを着用しなければならない。同時に、私の意志を周りの人達に正確に伝え、理解してもらわなければならない。困ったぞ、困りました。
思い切ってマスクを外して彼女に相談しました。すると、聡明な彼女曰く、「私は重要な会議がある時にはフェイスシールドを10枚くらい持って行き、主だった発言者に着用してもらうようにしている。」なるほど!誠に前向きな姿勢です。どちらかと言うと、 行政や他の人のお世話に頼りがちな障害者の中で、自立した立派な考えです。早速に私もフェイスシールドを買うことにしました。いつ解消するか分らないコロナウイルスのパンデミック、ステイホームを心掛けないといけない私達高齢化した障害者。しかし、必要なコミュニケーションは確保しないと社会生活が出来ません。難聴者の皆さんもこのコロナウイルス蔓延の地域でどのように社会生活を維持していくか、お互いに知恵を出し合い頑張って行きたいと願っております。皆様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。